町田さんは、群馬県の実家を離れ、石川県にあるこの高校で寮生活をスタートさせました。2003年に開校した日本航空第二高校（現在は日本航空高校石川）は、航空業界を目指す生徒が集まる専門色の強い学校で、パイロットや整備士、キャビンアテンダントなどを志す若者たちの夢を支えるカリキュラムが整っています。
そんな環境での日々は決して楽ではなかったはずですが、町田さんは持ち前の責任感と向上心で仲間たちの信頼を集め、副寮長という立場も任されるようになっていきました。きっと、その真っ直ぐな姿勢が寮でも光っていたのでしょう。
毎日の学びの中で、航空無線やエンジン構造、整備作業などを徹底的に叩き込まれる環境だったそうで、実技と学科の両方に真剣に取り組んでいた町田さんの姿が目に浮かびますよね。
夢が変わっても、町田啓太さんの高校生活は輝きに満ちていました。特に彼が熱中したのが“ダンス”。日本航空第二高校のダンス部に入部した町田さんは、舞台に立つことで新たな情熱を発見していきます。
そして面白いのが、そんな華やかな状況にもかかわらず、町田さん自身は「かっこよすぎて誰も告白できなかった」と言われるほど、どこか近寄りがたいオーラを放っていたこと。意外と本人は恋愛に関しては奥手だったのかもしれません。
ダンスという表現手段に出会ったことで、彼の中に“人に何かを届ける楽しさ”が芽生えていったのは間違いありません。このときの経験が、のちに俳優という職業を本気で目指すきっかけになったともいえるでしょう。
寮生活では副寮長として仲間をまとめ、学校外でもその責任感は大きな信頼につながっていた町田啓太さん。年頃の男子たちが集まる寮では、トラブルもあったはず。でも、町田さんはそうした場でもリーダーシップを発揮し、周囲の模範となる存在でした。
勉強と部活動、そして寮での生活を両立しながら、彼はさまざまな資格も取得しています。たとえば、航空特殊無線、陸上特殊無線、さらにはガス溶接や危険物取扱者（乙種）など、実に多岐にわたるものばかり。どれも簡単には取れない資格ですし、それを高校生のうちに複数取得してしまうあたり、本当に努力家なんだなと感じさせられます。
こうして町田さんは、夢の途中で道を変えながらも、与えられた場所で常に全力を尽くしてきたことが伝わってきます。自分の選んだ環境を「正解」にしていく姿勢。それが、今の彼の芯の強さにつながっているんでしょうね。
視力の問題でパイロットの夢を断念し、次に目指したのは体育教師。その思いを胸に町田啓太さんが選んだのが、日本体育大学です。けれど、この大学で出会った人や環境が、やがて彼をまったく新しい世界へと導くことになります。夢が変わる瞬間には、必ず“誰かとの出会い”や“心の揺れ”があるものなんですよね。
体育学部に在籍していた町田さんの学生生活は、まさにエネルギーに満ちた毎日。仲間と汗を流し、ダンスに打ち込みながらも、自分自身の可能性についてじっくりと考える時間が、ここにはありました。
ryomo
